Interview社員インタビュー
#02
理系キャリアの新たな“答え”。
若き挑戦者が創る
「環境貢献×新規事業」
K.I
2021年新卒入社
- ※記載内容は2025年7月時点のものです。
組織構成や名称等、現時点とは異なる場合がございます。
2021年に日本特殊陶業へ新卒入社したI。入社5年目にして、CO2を資源に変える新規事業の戦略を担っています。学生時代の大半を研究室で過ごしたIが、なぜビジネスの最前線へ進んだのか──理系の新たなキャリアパスと、若手の挑戦が事業を動かすリアルを語ります。
- 若き担当者が描く事業戦略。CO2を資源に変える壮大な挑戦
- 「研究は向いていない」──未経験で拓いたキャリアと、強みを見つけた上司の言葉
- 若手の提案が、事業を動かす。アウトプットで示す存在価値
- 目の前の探求が、未来のキャリアを拓く。20代で築くキャリアの価値
若き担当者が描く事業戦略。CO2を資源に変える壮大な挑戦
日本特殊陶業が未来の柱として注力する、環境・エネルギー分野。その最前線で事業戦略を担うエネルギー事業戦略室にIは所属しています。
「エネルギー事業戦略室は、会社の未来を担う環境・エネルギー分野の戦略を考える部署です。主に水素関連とCO2関連という2つの軸で、社会課題を解決する新しい事業を創出しようとしています。その中で私が担当しているのが、『CO2回収・有価物転換プロジェクト』です」
Iの役割は、開発中のCO2回収装置を、いかにしてビジネスとして成立させるかという戦略を描くこと。その仕事は、緻密な調査と分析の連続です。
「この装置はどのようなお客さまに、どう提供すればビジネスとして成り立つのか。とくに、どのような業種のお客さまがCO2削減に対して強い課題感を抱えているのかを特定し、国内はもちろん、カーボンニュートラル先進国である欧米の政策や市場も調査しながら、事業化への道筋を描いています。お客さまへのヒアリングを重ねて具体的なニーズを探るなど、日々情報収集と分析を続けています」
このプロジェクトがめざすのは、単なる装置販売にとどまらない、さらに大きな構想です。
「最終的に私たちがめざすのは、回収したCO2を地域内で資源として循環させる『地域CCU®』という構想の実現です。再生可能エネルギーで電力をまかない、排出されてしまったCO2は資源として循環させることで、地域全体がカーボンニュートラルになる。そんな社会を私たちの技術で実現したいんです。この壮大なプロジェクトで、今はマーケティングから事業計画の策定まで、幅広く担当しています」
前例のない挑戦だからこそ、大切にしている価値観があるとIは語ります。
「新規事業に、決まった正解はありません。だからこそ、完璧な計画を待つのではなく、まずは仮説を立てて動いてみる。そして、お客さまや上司と密にコミュニケーションをとり、ズレを修正しながら進めていく『アジャイル』な考え方を大切にしています。

「研究は向いていない」──未経験で拓いたキャリアと、強みを見つけた上司の言葉
学生時代は関西の大学に進学し、大学院まで含め6年間、応用化学を専攻。しかし、研究に没頭する日々が、Iに自身のキャリアを別角度から見つめさせました。
「6年間、研究と向き合った結果、『自分は研究に向いていないな』と正直に思ったんです。1人で黙々と何かを突き詰めたり、単調な作業を繰り返したりするよりも、多様な人と関わりながら何かを進めていく方が、自分には合っていると気づきました。
そこで就職活動では、既存の事業領域にとらわれず、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢を持つ企業を軸に探していました。実は、他社に先駆けて製造業におけるシェアリング事業を新規事業として手がけていたのが、当社に興味を持った最初のきっかけです。
調べていくうちに、既存事業で確固たる地位を築きながら、まったく新しい領域に挑戦する姿勢に強く惹かれ、入社を決めました。それに、僕自身が東海出身なので、関西の大学から地元に戻るUターン就職だったというのも、決め手の一つです」
入社後の歩みも、挑戦の連続でした。
「入社1年目の10月には現在のCO2回収プロジェクトに参画し、未経験だったマーケティング業務を担当することになりました。その基礎を教えてくれたのが、プロジェクトに参画していた外部のコンサルタントの方です。仮説思考をベースにしたマーケティングの“いろは”を、実践を通して学ばせてもらいました」
そして、その成長を長期的に支え、新たな強みを見出してくれたのが当時の上司でした。
「当時の上司が、入社から3年間にわたって毎週1on1の時間を作ってくれていたんです。業務の相談だけでなく、僕自身の内面と深く向き合ってくれました。
その対話を通して、『数字を分析して、仮説を展開していくのが得意だ』と、自分でも気づかなかった強みを言語化してもらえた。まさに“見つけてもらった”という感覚です。毎週の対話は、自分のキャリアプランを考える上で、本当に有意義な時間でした」
こうした学びとサポートが、次のステップへとつながります。
「入社3年目の終わりに、現在の部署が新設されるタイミングで『マーケティングと戦略を担える人材が必要だ』という話が持ち上がりました。マーケティングの延長線上にあり、かつ事業をゼロから提案することに挑戦してみたいと思っていたので、自ら手を挙げたんです」
若手の提案が、事業を動かす。アウトプットで示す存在価値
これまでで最も大きな手応えを感じた経験は、入社4年目に、事業の根幹に関わる提案をしたことだと語ります。
「一番の成功体験は、CO2回収事業のビジネス方針を提案したことです。当時、装置開発は進んでいたのですが、それをどう販売し事業として成立させるか、具体的な戦略がまだ固まっていなかったんです。
社内では、回収したCO2の『利活用』までをセットで提供すべき、という考え方も根強くありました。しかし、マーケティング担当として国内外の市場を調査する中で、この事業は1日でも早く市場に参入しないと、機会そのものを失ってしまうという危機感を覚えました。
そこで、『まずは装置単体を販売する形で市場参入しましょう』と、勇気を出して提案したんです」
それは、会社の大きな方針を左右する重要な提案でした。
「もちろん、社内には別の考えもありました。でも、自分が主体となって集めたデータと、そこから導き出したロジックを信じて提案した結果、それが議論のベースとなり、事業部の大きな方針が動いていきました。若手の意見でもしっかり聞いて、合理的であれば裁量を与えてくれる。この文化が、自分を成長させてくれていると実感します」
事業を動かす提案だけではありません。日々の業務の中にも、Iが「やりがい」を感じる瞬間は数多く存在します。
「自分が分析した結果や考えが、1つの資料や提案書として『形』になった瞬間に、一番の達成感を覚えますね。たとえば、海外のCO2関連市場について数カ国を横断して調査し、レポートにまとめた時。それをもとにチームで『じゃあ次の一手はこうだね』と議論が進む。自分のアウトプットが、事業を前に進めるための共通言語になる。
それによってチームの目線がそろい、議論が加速していく。そのプロセス自体がすごく楽しくて、モチベーションになっています」
その「アウトプット」は、事業の方向性を示す提案だけではありません。事業の“足腰”を強くする、着実な改善活動にも及びます。
「最近の例で言うと、事業計画の経済性試算フォーマットを標準化したことです。もともとプロジェクト独自のフォーマットを使っていたのですが、全社の会議で説明するには不十分かもしれないという懸念がずっとありました。
そこで、正直にその違和感をチームに伝え、社内の管理会計担当にも相談したんです。そして、会社標準のフォーマットをベースに、僕が主体となって計画を再整理しました。これにより、経営層とも認識のズレなく議論できる『共通言語』ができた。これも自分にとっては大きな成功体験ですね」

目の前の探求が、未来のキャリアを拓く。20代で築くキャリアの価値
若くして事業創造の最前線に立つI。その視線は、自身の未来、そして後に続く世代へと向けられています。
「将来的には、完全に1人で事業立案をやりきれる人間になるのが目標です。そのために、今のうちからマーケティングだけでなく、事業計画の策定や財務の知識まで、事業全体を俯瞰して見る経験を積んでいきたいと考えています。自分の強みであるデータ分析能力も、さらに磨いていきたいですね」
自身の経験を踏まえ、キャリアに悩む学生たちに伝えたいことがあると言います。
「実は入社前、『日本特殊陶業』という社名から自動車部品のイメージが強く、化学専攻の自分が本当に活躍できるか、少し不安でした。でも実際は、CO2を扱う今の事業で応用化学の素養がそのまま活かされていて、学生時代の学びがこうして思わぬ形で武器になるのだと実感しています。
だから、皆さんが今取り組んでいる学問であれ、サークルやアルバイトのような普段の活動であれ、目の前のことに全力で向き合って、突き詰めてほしい。その経験は、分野を問わず、必ず未来の自分の力になります」
最後に、日本特殊陶業というフィールドの魅力を語ってくれました。
「一番の魅力は、やはり『人』と『挑戦を許容する風土』です。就職活動の時から『いい人が多いな』と感じていましたが、その印象は入社後も変わりません。上司や先輩方が若手の意見でも1人の考えとして尊重し、まず『なぜそう思うの?』と耳を傾けてくれる。だから安心して挑戦できるんです。
この環境を活かして、若いうちから事業創造のダイナミズムを肌で感じたい、自分の市場価値を高めたい。そんな熱意のある方と、一緒に働ける日を楽しみにしています」