Interview社員インタビュー
#10
既存の枠を超え、新たな視点で挑む
──お客さまのニーズに応える新規スパークプラグ開発
T.T
2022年新卒入社
- ※記載内容は2025年11月時点のものです。
組織構成や名称等、現時点とは異なる場合がございます。
2022年に日本特殊陶業に新卒入社したT。既存スパークプラグの改良に3年ほど携わった後、現在は新規スパークプラグの開発担当として幅広い業務を担っています。「知識の幅を広げたい」という思いから、新たな挑戦に果敢に取り組むTが、これまでの歩みと仕事の魅力を語ります。
- 受動的ではなく能動的に。開発にとどまることなく、設計から製造工程まで幅広く担当
- 試行錯誤の中で見出した、既存スパークプラグ改良の醍醐味
- 主体的に動き、周囲とのつながりを広げる中で見えた成長
- 製品化の実現が目標。スパークプラグ全体を俯瞰して理解できる人材へ
受動的ではなく能動的に。
開発にとどまることなく、設計から製造工程まで幅広く担当
新規スパークプラグの開発チームに所属するT。その中でも、次世代のエンジン性能向上が期待される、プレチャンバープラグの開発を担当しています。
「近年、EVへの関心が高まる一方で、コストや性能面での課題もあり、内燃機関の重要性が再認識されています。お客さまのニーズは多様で、たとえば出力を落とさず、燃費の良いエンジンを開発したいといった要望があります。プレチャンバープラグは、そうしたエンジン性能の改善が期待できるアイテムとして位置づけられています。
私はその設計から製造工程まで幅広く携わっており、市場のエンジン動向や顧客のニーズをいち早く捉え、それに応える製品を生み出すことがミッションです。
業務の流れとしては、まず営業部門が顧客情報を設計部門にインプットし、それをもとに営業部門と連携しながら製品開発状況をお客さまに説明します。その後、お客さまのニーズに合わせた設計や試作品を提供し、実際にお客さまに評価いただくことが、基本的な流れです。
加えて、スパークプラグの性能向上のため、シミュレーションでの解析や試作品での机上評価、実際のエンジンでの評価も並行して進めています」
現在のチームへの異動前は、既存スパークプラグの開発を担当していたT。新規開発特有の難しさを実感する一方で、この領域ならではのやりがいも感じています。
「新規スパークプラグの開発では、従来の考え方では対応できない部分が出てきます。既存スパークプラグでは通用していた知見が、そのまま使えないことも少なくありません。限られた情報の中で、これまでにはない新たな視点が求められるため、そこに難しさを感じています。既存の枠にとらわれず、思考を柔軟に保つことが重要だと気づかされる場面も多いです。
一方で、それが成長にもつながっています。自分が設計したものが実際にお客さまに使われ、その反応を直接知ることができたり、フィードバックを次の開発に活かせたりするときには、大きなやりがいを感じますね」
仕事をする上でTが大切にしているのは、「能動的に動くこと」です。
「お客さまの需要が一番大事な部分ですから、さまざまなアイテムがある中で、スパークプラグを1つの手段としてより魅力的に提供することを意識しています。世界各国のニーズを素早くキャッチアップするには、部門を越えた横のつながりが不可欠です。営業部門と密に連携を取り、展示会にも自ら足を運ぶなど、能動的に情報を取りに行くことを心がけています」

試行錯誤の中で見出した、既存スパークプラグ改良の醍醐味
大学時代は高分子ゲルの力学特性について研究していたT。就職活動では化学業界に限定せず、ものづくりに携わり、研究に没頭できる環境を軸に企業を探しました。
「化学メーカーも選択肢の1つでしたが、最終的に日本特殊陶業を選んだ決め手はスパークプラグという製品の存在でした。一見BtoB事業に見えても、最終的には消費者の手元に届く。本来なら遠い存在である消費者を意識しながら仕事ができる点に魅力を感じました。
また、18歳の頃にバイクの免許を取得して以来、バイクが趣味だったこともあり、モビリティ分野への関心もありました。地元が東海圏だったこともあり、自分が育った場所で働けることも大きな後押しになっています」
入社後、Tは既存スパークプラグの設計変更を担当する部署に配属されました。
「配属先では、スパークプラグの設計変更が性能に及ぼす影響の検証や評価を担当しました。既存スパークプラグには継続的な改良が必要で、その理由は大きく2つあります。
1つめは、工程で発生する不具合に対し、設備では対応しきれない部分を設計側からアプローチするため。2つめは、性能をさらに向上させるためです。こうした改良業務を通じて、開発の基盤を築くことができたと感じています」
学生時代の自由な研究スタイルとは異なる環境に、入社当初は慣れない部分もあったと言います。
「企業での研究は、標準やルール、評価基準に沿って進める必要があります。また、決められた期限内で計画を立て、それを100%遂行することの重要性と難しさがありました。
当初は作業経験が少ないことから、時間配分がイメージしづらかったのですが、先輩のレビューを受けながら経験を重ねることで、徐々に精度を上げることができました」
試行錯誤を重ねる中で、Tは業務の楽しさを見出していきました。
「想定通りの結果が得られたときは、やはり手応えを感じますね。また、その成果を部長レビュー会などで発表し、承認されたときの達成感も大きいです。自分が担当したスパークプラグが今後どう流れていくのか──その過程が見えてくることで、仕事の醍醐味を実感するようになりました」
主体的に動き、周囲とのつながりを広げる中で見えた成長
Tにとって最も印象深い転機となったのは、入社2年目のことです。人事異動で主任が交代したことをきっかけに、仕事への向き合い方が変化しました。
「ちょうどその頃、プラグの材質改良に取り組むことになったんです。以前はわからないことがあればすべて主任に聞いていましたが、新しい主任は別の部門から来た方。それぞれの専門分野が異なっていたこともあり、これまで以上に自分たちで考えて、行動する必要がありました。
そこで、先輩に相談しながら評価内容や手順を考え、それでも解決しなければ関連部署にも声をかけるように。横のつながりを広げ、情報を取りに行くことで、さまざまな課題を自ら乗り越えることができるようになりました。この経験から仕事に対する責任感が増し、主体的に動くことの大切さを実感しました」
その後、Tは現在の新規スパークプラグ開発チームへ異動します。そこでは既存業務とは異なる新たな挑戦が待っていました。
「課長とは定期的に面談を行っており、数年後のキャリアプランについて話す機会がありました。私は特定分野を深く追求するより、知識の幅を広げたいと考えていたため、その意向を伝えたところ、『1つの部署にこだわらなくてもいいよね』と背中を押してくれたことを覚えています。
開発部門か工程部門への異動を希望した結果、設計開発スキルをより伸ばすことが優先となり、現在のチームへの配属が決まりました。新規スパークプラグは、既存の常識が通用しないだけでなく、評価基準そのものが確立されていません。
そのため、既存スパークプラグで培った経験と知識をベースにしつつ、評価軸の策定から始める必要があります。どこまで性能を持たせるべきかを決めるところから始まり、それを検証するための評価方法から考えていく。そこが既存との大きな違いであり、同時に自ら判断し、意思決定する力が求められる領域だと感じています」
そんな新規開発の現場で、Tは1人でプレチャンバープラグを担当しています。「もともと優柔不断な性格」だと語るTですが、今では重要な意思決定を任されるまでに成長しました。
「自信を持って判断するために、常に思考を整理しながら業務を進めることを心がけています。判断が曖昧にならないよう、頭の中で論点を整理してから仕事に取りかかる。
また、1人で抱え込まず周囲に相談することで、徐々に意思決定力を養うことができました。自分の意見を持つことの重要性は、日々の業務を通じて痛感しています」

製品化の実現が目標。
スパークプラグ全体を俯瞰して理解できる人材へ
スパークプラグの設計・開発を進める上で、重要な要素となっているのがコミュニケーション。だからこそ感じる日本特殊陶業の魅力を次のように語ります。
「一番は社員の人柄の良さですね。職場は明るく、相談しやすい雰囲気があります。円滑なコミュニケーションにより議論が活性化し、プロジェクトが前進していくことが、当社の強みだと感じています。
また、チームには多様なバックグラウンドを持つ方々がいて、出身学部にとらわれることなく活躍できる環境です。若手でも挑戦させてもらえる風土があり、勉強会や工場見学など、年間を通じてスパークプラグを学べる機会を用意しているため、新しい領域にチャレンジしたい方も歓迎しています」
現在は新入社員のチューターも任されているT。指導育成に携わる中で、後輩たちに日頃から伝えている価値観があると言います。
「この仕事に向いているのは、物怖じせず自分の意見を発信できる人だと思います。ただし、最初から完璧な思考や効率的な業務遂行を求める必要はありません。大切なのは、事実をありのままに正確に伝えること。そして、悩んだときには一人で抱え込まず、思った時点で周囲と共有すること。コミュニケーションを通じて、一体感を持って働きたい方に、ぜひ加わっていただきたいですね」
直近の目標は「今携わっている開発をやりきること」だと語るT。その先にある目標に向かって、挑戦を続けていきます。
「現在の開発業務に一区切りをつけることができたら、その先は1つの領域を追求するよりも、スパークプラグの端から端まで幅広く理解を深めていきたいと考えています。将来的には、自分が携わったスパークプラグを製品として世に出していきたいですね。製品化を実現できれば、それがまた自信につながっていくと思います」